2007年6月11日(月)16:59

ポーランドは依然メルケル首相のEU憲法再生プランを阻止

AFP

ポーランドは依然、EU憲法問題の速やかな解決に向けたドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟)の努力を阻害している。ポーランドのヤロスワフ・カチンスキ首相はワルシャワで、EU加盟国に対し1年間の交渉期間を設けるよう呼びかけた。カチンスキ首相はこの発言により、メルケル議長のもと来週ブリュッセルで開かれるEU首脳会議で憲法問題の打開が図られるとの大方の期待に水をさした。ドイツ連邦議会のノルベルト・ランメルト議長(キリスト教民主同盟)はポーランドに対し、EUを危機に陥れぬよう警告した。

ポーランドのカチンスキ首相は、来週の木曜日と金曜日に開かれるEU首脳会議を踏まえ、「私たちはEUの将来に関わる重要な問題を二三日で決めることには賛成しない」。計画中の加盟27ヶ国の政府間協議では、新たな条約について「約1年間」協議を行なうべきである、と首相はオーストリアのアルフレート・グーゼンバウアー首相との会談を終えて語った。これに対しメルケル首相は、EU首脳会議で憲法条約に関する基本事項をできるだけ決定し、その後できれば12月までに政府間協議によって条文化を図りたいとしている。

しかしカチンスキ首相はあらためて拒否権の発動をちらつかせた。「私たちが決定を支持しないという状況に追い込まれないよう私は望んでいる。そうなれば決定は成立しないことになろう。」メルケル首相にとって一番の障害は、ポーランドがEUの意思決定方式の変更を求めていることである。ポーランド政府はEU憲法で定められた二重多数決の決定方式は自国に不利になると考えている。この方式によれば、決定には加盟国の55パーセント以上の賛成、かつEUの65パーセント以上の総人口の賛成が必要とされている。

欧州議会のハンスゲルト・ペッテリング議長は、ポーランドの態度を厳しく批判した。二重多数決制は、EUが加盟国の連合であり、また市民の連合でもあるという理念を具現化させたものだ、とペッテリング議長はブリュッセルでドイツ連邦議会のランメルト議長との協議を終えて語った。「もし1ヶ国がこれを粉砕するならば、最終的に最も大きな損害を蒙るのはポーランド自身だ」とペッテリング議長は強調した。ランメルト議長もポーランド政府に対し、長年の交渉をご破算にしないよう警告した。そうなれば他の国々の新規EU加盟を阻害するばかりか、「ほとんどの人々が望まない、二つの統合速度のEUが生まれることになろう」とランメルト議長は述べた。

原題:Polen behindert weiter Merkels EU-Verfassungsplaene




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